プレパレーションとアーティクル

REACH規則の規制内容で電気電子機器で関係してくることといえば、まず思い浮かぶのがSVHCの含有濃度であろう。
少しづつではあるが、JAMPのMSDSplusやAISなどのフォーマット(ツール)を用いて、情報伝達が始まりつつあるように思う。


実は私の会社にもAISでの調査依頼が来たのだが、混乱の真っ只中である。
なぜなら、上流からの情報伝達がまだうまくいっていないから。
RoHSのときのように、下流側からの調査依頼はできるだけ避けたいと思っているのだが、そうはいっていられない状況になりそうで・・・。
SVHCの届出の期限が迫ってくれば、なお悠長なことは言っていられなくなる。


そんな状況のなかで、最近よく聞かれるのが、プレパレーションとアーティクルの違いである。


プレパレーションとアーティクルの他に、よく出てくる用語はサブスタンスであろう。
これらの用語は、化学物質や部品の状態のことを言っていると考えてもらってよいと思う。


サブスタンスとは元素そのものや化合物のこと。
中学校や高校で習う、化学の世界の「元素や化合物」のことである。
もっと詳しく言えば、これらサブスタンスにはCAS No.(CAS番号)やEINECS NO.(EINECS番号)といった、物質に固有の番号がついている。(複数ついているものもあれば、ついていないものもあるが。)


プレパレーションとは、よく「調剤」と訳されているが、サブスタンスを混ぜ合わせたものである。
つまり、Aという化学物質とBという化学物質を混合させたものである。
複数のサブスタンスを混合しているものがプレパレーションであり、プレパレーションには、はんだ、合金、塗料やインクなどが分類される。


サブスタンス、プレパレーション共に化学物質の世界でよく使われそうな用語であるが、ちょっと趣きが違う用語にアーティクルがある。
アーティクルとは、成形品とも訳されているが、簡単に言ってしまえば、材料に何かしらの加工を行った部品と考えればよいのではないかと思う。
混合の方法はともかく、混合したもの(プレパレーション)を熱を加える等の加工をして形のあるものにしたのがアーティクルである。
いわゆる材料と呼ばれるものを加工したものがアーティクルということになる。
もちろん、アーティクルの状態のものをさらに加工、組み立てを行ったものはアーティクルである。
ここまでくると、一般的には「部品」や「製品」と呼ばれている状態である。


JAMPのHPで、詳しく解説してあるページがあったように思う。
MSDSplusやAISツールの解説をよく理解し、正しい情報伝達をしなくては、と思う。



SVHCの追加候補物質

SVHCの追加候補物質15物質が2009年9月1日に公表された。


SVHCの今までの動きとしては、2008年10月28日のSVHC15物質を特定(決定)、さらに2009年1月14には認可対象物質のリストへの掲載物質として7物質を対象として挙げ、2009年6月1日にはこの7物質を認可対象物質とするよう勧告されている。
このSVHC15物質に、さらに今回15物質が候補として追加されることになったということになる。
今回SVHCリストに追加される候補物質:15物質は以下のとおり。


物質名:CAS番号の順で表記。
(1)Anthracene oil(アントラセン油):90640-80-5
(2)Anthracene oil, anthracene paste, distn. lights(Light fractions from distillation)(アントラセン油、ペースト):91995-17-4
(3)Anthracene oil, anthracene paste, anthracene fraction(アントラセン油、ペースト):91995-15-2
(4)Anthracene oil,anthracene-low(アントラセン油):90640-82-7
(5)Anthracene oil, anthracene paste(アントラセン油、ペースト):90640-81-6
(6)Coal tar pitch, high temperature(コールタールピッチ(高温)):65996-93-2
(7)Acrylamide(アクリルアミド):79-06-1
(8)Aluminiosilicate, Refractory Ceramic Fibres(アルミノシリケート、耐火性セラミック繊維):CAS No.なし
(9)Zirconia Aluminosilicate,Refractory Ceramic Fibres(ジルコニアアルミノシリケート、耐火性セラミック繊維):CAS No.なし
(10)2,4-Dinitrotoluene(2,4-ジニトロトルエン):121-14-2
(11)Diisobutyl phthalate(ジイソブチルフタレート、DIBP):84-69-5
(12)Lead chromate(クロム酸鉛):7758-97-6
(13)Lead chromate molybdate sulphate red (C.I. Pigment Red 104)(ピグメントレッド104):12656-85-8
(14)Lead sulfochromate yellow (C.I. Pigment Yellow 34)(ピグメントイエロー34):1344-37-2
(15)Tris(2-chloroethyl)phosphate(トリス(2-クロロエチル)ホスフェート):115-96-8


用途については別途。


SVHCの追加候補物質に関する9月1日のプレスリリースは以下のURLより参照可能。
http://echa.europa.eu/doc/press/pr_09_12_second_consultation_svhc_identification_20090901.pdf


2009年9月7日更新